はりの眼科 張野正誉院長
当社の視野計を導入して頂いておりますが、導入の決め手は何だったのでしょうか?
-----姿勢保持の困難な患者様でも測定できる視野計として、最初はヘルメット型のアイモを考えており、実際にデモをしてみると、両眼開放で安定した視野測定ができました。しかし残念ながらヘッドマウントディスプレイが重いため、座位でテーブルの上に置くタイプとなっており、当初の目的の、姿勢を長時間保持できない方や、脊柱が曲がっている方には適応が困難でした。その後、アイモVifa が発売され、姿勢の悪い方でもアラインメントが容易で大変コンパクトになり、しかもプログラムも改良され、これならと思い購入を決心しました。
アイモvifaを導入後の運用方法は?
-----スクリーニングや、緑内障の経過観察に使用しています。 プログラムの改良により、検査時間が従来の静的視野検査より短縮されますので、新患で来られた方なども、予約なしで視野の検査が出来るようになりました。また、以前の視野検査では固視不良で検査結果が安定しなかった方も、両眼開放のため固視が良好で、安定した結果を得ることが出来ました。
張野正誉院長
患者様の反応は如何でしょうか?
-----すこぶる好評です。 この機器の導入により、これまでの視野測定が、患者様にとって片眼遮蔽や測定時間の長さなど、多大な負担をかける検査であったことを私も改めて認識しました。今までは視野検査が嫌いだったけれど、アイモだったら次回もやっても良いと言われる患者様もおられました。両眼開放下であり、測定時間が短いことが大きな理由のようです。
実際に検査をされる検査員の方の反応は?
-----患者様との距離が従来の視野計より長く取れますので、このコロナ禍では感染防止に役立っていると好評です。また明室でも検査可能ですので、窓を開けたままでも検査できます。測定時間が短いことも、患者様と検査員の双方に利点となっています。
ORTの方々のご意見は如何でしょうか?
-----検査のプログラムに24-2plus(1-2)などが追加され、選択肢が広がったことがとても良いと感じています。両眼開放下での検査によって、患者様の精神的負担もずい分減ったように見受けられました。斜視や斜位などで両眼固視が難しい場合も、すぐに片眼固視に切り替えが出来るので良いです。また固視標の大きさ形、明るさが変更できますので、固視標が今まで見えなかった患者様でも検査することができました。 以前のヘルメット型のアイモは、時に瞳孔中心に合わせるのが難しく、患者様の目の動きに応じて移動していく瞳孔中心に合わせる、という作業がありました。何度も顎台を動かすと患者様の集中力も途切れ、不快になる方もおられました。アイモvifaの場合、一度合わせればあまり大きくずれることはなく、トラッキングもあるので、合わせ直しの作業がぐっと減りました。また、従来の静的視野検査は顔を顎台に乗せるだけでしたので、高齢者の殆どの方の額が後ろに離れていき、ヘッドバンドで固定する必要がありました。首、肩、腰にも負担がかかっていたと思います。しかし、アイモvifaはコンパクトな大きさで、テーブルに腕を乗せ、腕で身体を支え、前のめりになった頭を器械が包む姿勢になりますので、首、肩、腰への負担は、かなり軽減されているという意見がありました。
アイモvifaのマイナス面はありますか?
-----固視の監視のトラッキングについては、一般的な方ですと簡単に機能します。しかし眼球が窪んでいて、しかも眼瞼下垂がある方などは、テープでまぶたを挙上しても、少し瞳孔にかかってしまうことがあります。そのような場合、トラッキングが全く反応しないということが多い印象があります。また、固視不良が数値化できないと、検査の精度の評価が難しいというところが難点でしょうか。今後の改善を期待しております。
末期緑内障の患者様で、たまに従来の静的視野計の方がよく見えると言われる方があります。同じ光量だと思いますが、その理由の解明は今後の課題だと感じます
コントラスト感度検査を使用してご意見は如何でしょうか?
-----コントラスト感度検査は、当院のように白内障手術を行っている施設では手術前後に算定できます。但し、術前矯正視力0.7以上の患者様だけです。手術前後でコントラスト感度が改善するのは当たり前ですが、どの程度改善するか、パターン及び定量的にもわかるので有用です。また、白内障による視力低下で左右の矯正視力とスリット所見が合わない場合、どちらの眼から手術するべきかについて、コントラスト感度検査が大変有用な情報を与えてくれるので、気に入っています。
はりの眼科外観